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グルコンサンK錠5mEq1回1錠1日2回をアスパラカリウム錠300mgに切り替えたいと思っています。カリウム量を等価とするには用量はどのようにすればいいですか?

あるカリウム製剤を他のカリウム製剤に切り替えする際に、mEq数を基に換算すると思いがけず血清カリウム値が上昇してしまうなどして、うまく切り替えられないことがあります。実際に、各カリウム製剤によって常用量(添付文書で規定されている用法・用量、カリウムイオンのmEq数)は異なっています。これは各製剤の生体内利用率や組織移行性などの違いによるものと考えられています。

切り替えにあたっては他の薬剤で見られるような換算式などはなく、多くの場合は「常用量対比」が用いられます。常用量対比とは、各製剤の1日量の上限を等量と考えて比例計算する方法です。それに則ってグルコンサンK錠5mEqをアスパラカリウム錠300mgに換算する場合を考えてみましょう。

グルコンサンK錠5mEqは用法用量として「1回カリウム10mEq相当量を1日3~4回経口投与」と添付文書に記載されていることから、常用量のカリウム量としては30~40mEq/日ということがわかります。一方、アスパラカリウム錠300mgの用法用量は「通常成人1日0.9~2.7g(3~9錠)を3回に分割経口投与」と添付文書に記載されていて、1錠1.8mEqであることが併せて添付文書からわかるので、常用量のカリウム量としては5.4~16.2mEq/日になることがわかります。

それぞれの上限量から、グルコン酸カリウムとアスパラカリウムのカリウム量の比は約1:0.4(40:16.2)となるため、グルコン酸カリウムのmEq量に0.4を掛けるとアスパラカリウムの切り替えるべきmEq量になります。つまり、グルコン酸K錠5mEq2錠/日:10mEq/日だと、アスパラカリウムとしては4mEq/日に相当するため、概ねアスパラカリウム錠300mg2錠/日に相当することがわかりました。

下表に他製剤も含めて一覧にまとめました。あくまで切り替え時の目安の初回用量として、切り替え後に定期的な血清カリウム値の測定や用量調節を行うのが前提とはなりますが、カリウム製剤を切り替えるときの参考としてご活用ください。

併せて換算ツール(試作版)も作成しました。数値はあくまでも参考程度にご利用いただけますと幸いです。

カリウム製剤 換算ツール

カリウム製剤 換算ツール

いずれか一つの値を入力すると、他の製剤の相当量が自動で計算されます。

※本ツールは医療従事者向けの簡易的な換算を目的としています。意図せぬ不具合がある場合もございますので、実際の使用にあたっては必ず自身で内容をご確認ください。

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